いじめの定義は従来、「自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、深刻な苦痛を感じている」などとされていた。しかし、今回の調査から「(いじめかどうかの判断を)表面的、形式的に行うことなく、いじめられた児童・生徒の立場に立って行う」とし、幅広くとらえるようになった。
その結果、小学校でのいじめ認知件数は1425件で2005年度(275件)の5.1倍に急増。中学校は2013件で2.3倍(849件)、高校も194件で2・1倍(92件)に増えた。
埼玉県内の公立学校で2006年度に認知されたいじめの件数は3635件で、2005年度(1219件)の約3倍となったことが2007年8月、埼玉県教育局の調査でわかった。文部科学省によるいじめの定義変更が大幅増の要因とみられるが、依然、いじめが横行している実態が浮かび上がった。埼玉県教育局は、全国高等学校PTA連合会などと連携し、いじめやネット誹謗中傷の防止に取り組んでいる。
いじめの定義は従来、「自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、深刻な苦痛を感じている」などとされていた。しかし、今回の調査から「(いじめかどうかの判断を)表面的、形式的に行うことなく、いじめられた児童・生徒の立場に立って行う」とし、幅広くとらえるようになった。
その結果、小学校でのいじめ認知件数は1425件で2005年度(275件)の5.1倍に急増。中学校は2013件で2.3倍(849件)、高校も194件で2・1倍(92件)に増えた。
いじめの内容は「悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が50.3%と最も多く、「仲間外れ、集団による無視」が17.5%、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたりけられたりする」が13.3%で続いた。
今回から新たに設けた「パソコンや携帯電話(スマホ)などで中傷や嫌なことをされる」は3.5%だった。嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたりさせられたりする」は3・4%だった。
埼玉県教育局生徒指導室は「子どもの訴えるいじめと、教員が認知したいじめのとらえ方に開きがあった。定義の変更により、双方のいじめに対する認識が狭まってきた」と分析した。埼玉県教育局はいじめを早期に発見し対応できるよう、教員向けの「いじめ対応ハンドブック」の作成を進めている。