いじめの定義の変更

いじめの定義は従来、「自分より弱い者に対して一方的に、身体的、心理的な攻撃を継続的に加え、深刻な苦痛を感じている」などとされていた。しかし、今回の調査から「(いじめかどうかの判断を)表面的、形式的に行うことなく、いじめられた児童・生徒の立場に立って行う」とし、幅広くとらえるようになった。

その結果、小学校でのいじめ認知件数は1425件で2005年度(275件)の5.1倍に急増。中学校は2013件で2.3倍(849件)、高校も194件で2・1倍(92件)に増えた。

「パソコンや携帯電話(スマホ)などで中傷」が新設

いじめの内容は「悪口や脅し文句、嫌なことを言われる」が50.3%と最も多く、「仲間外れ、集団による無視」が17.5%、「軽くぶつかられたり、遊ぶふりをしてたたかれたりけられたりする」が13.3%で続いた。

今回から新たに設けた「パソコンや携帯電話(スマホ)などで中傷や嫌なことをされる」は3.5%だった。嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをされたりさせられたりする」は3・4%だった。

埼玉県教育局生徒指導室

埼玉県教育局生徒指導室は「子どもの訴えるいじめと、教員が認知したいじめのとらえ方に開きがあった。定義の変更により、双方のいじめに対する認識が狭まってきた」と分析した。埼玉県教育局はいじめを早期に発見し対応できるよう、教員向けの「いじめ対応ハンドブック」の作成を進めている。